電磁気学
電磁気学(でんじきがく、electromagnetism)は、物理学の分野の1つであり、電気と磁気に関する現象を扱う学問である。工学分野では、電気磁気学と呼ばれることもある。
電磁気学の概要
電磁気学は、電磁的現象を考察の対象とする。電磁的現象としては、
- 磁石が鉄を引き寄せること
- 摩擦した琥珀が軽い物体を引き寄せること
- 雷や稲妻
などが古来から知られている。現在では、身の周りのほとんど全ての現象が電磁的現象として理解できることが知られている。
電磁気学は、これらの電磁的現象を電荷と電磁場の相互作用として説明する理論体系である。 電荷は物質に固有の物理量であり、物質と電磁場との結び付きの強さを表す量である。電磁場は、時空の各点が持っている物理量であり、物質間の電気的作用と磁気的作用を媒介する。
電磁場としては、スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルの組か、もしくは電場と磁場の組を考える。特にこれらの組を区別したい場合には、前者を電磁ポテンシャル、後者を電磁場と呼ぶことがある。電場・磁場は直接に観測が可能であるが、電磁ポテンシャルは観測によって一意に定めることができない。しかし、電場・磁場では説明できないが電磁ポテンシャルでは記述できる現象が存在する(アハラノフ=ボーム効果など)ので、電磁ポテンシャルの方が本質的な物理量であると考えられている。
電磁場は電荷と電流(電荷の流れ)に力を及ぼす。この力をローレンツ力という。逆に、電荷・電流の存在は電磁場に影響を与える。電磁場のふるまい、および電荷・電流が電磁場に与える影響は、マクスウェル方程式で記述される。ローレンツ力とマクスウェル方程式は、電磁気学における最も基礎的な法則である。
マクスウェル方程式の解の1つとして、電磁場の周期的振動である電磁波が得られる。日常的に「光」と言われているものも、実は電磁波の一種である。電磁波は波長や発生機構によって呼び名が変わる: 電気通信などに用いられる波長の長い電磁波は電波、それより波長が短くなると赤外線、可視光線、紫外線、さらに波長が短い電磁波は、発生機構によりX線、ガンマ線と呼ばれる。